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2005年08月13日

iPodの特許はApple社の物?Microsoft社の物?

概要
Appleが申請していたiPod関連特許がMS既得のものに似ている点、MicrosoftのJohn Plattという開発者が、Appleより5カ月早く申請していること等を理由に、Appleの主張は却下された。AppleはMicrosoftに特許料を支払う事態になりかねない。

Apple、iPod特許でMicrosoftに先越される

 米Apple Computerが出願していたiPod関連技術の特許が、Microsoftに先を越されたため米特許商標庁で却下されたと、米メディアが報じている。
 Washington Postオンライン版などに8月12日掲載された記事によれば、Appleは2002年10月にスティーブ・ジョブズ氏の名前で特許を出願した。ところがMicrosoftがその5カ月前の同年5月に同様の特許を出願していたことから、先月になってAppleの申請が却下されたという。

 この特許は曲目メニューソフトなどiPodの主要要素となる技術に関連した特許だったと、San Francisco Chronicleのオンライン版は伝えている。特許商標庁の記録ではAppleの申請を却下した理由として、幾つかのアイデアがMicrosoftのジョン・プラット氏の名前で先に出されたものと似ている点を指摘しているという。
 このままではiPodの販売台数に応じてMicrosoftに特許料を支払う事態になりかねないため、Appleでは特許商標庁の決定に対して不服を申し立てる方針だと、Washington Postの記事は伝えている。

 各社の報道によれば、今回の特許問題についてはAppleニュースサイトのAppleInsider.comが最初に伝えた。Apple広報のナタリー・ケリス氏は11日、「AppleがiPodインタフェースを発明して一般に公開したのは、当局が引き合いに出しているMicrosoftの特許が出願される以前のことだ」との談話を出している。

iPod関連の特許をめぐり、マイクロソフトとアップルが衝突

 iPodからのシェア奪回を狙うMicrosoftが、市場で苦戦を強いられる一方で、同社の弁護士らは、デジタル音楽技術の特許取得を狙うApple Computerの試みを何とか遅らせた。

 米特許庁の審査官は先月、iPodのユーザーインタフェースの一部について、Appleからの特許申請を却下する判断を下した。同審査官は、MicrosoftのJohn Plattという開発者が、同様の請求をAppleより5カ月早く申請していることを却下の理由として挙げた。
 これに関し、Microsoftのある幹部は米国時間12日、同社にはいつでも技術をライセンスする用意があると述べた。

 MicrosoftのDavid Kaefer(知的財産ライセンシング担当ディレクター)は、「われわれの方針は、他社がわれわれの革新的手法をライセンスして自社の製品に採用できるようにするというものだ。MicrosoftとAppleは、これまでにも特許の相互ライセンスを行ったことがあり、Appleとは素晴らしい協力関係にある」と声明のなかで述べている。

 しかしKaeferは、AppleがiPodに関して1台単位でMicrosoftにライセンス料を支払うと推測するのは時期尚早かもしれない、とインタビューのなかで認めている。

 今回の判断は、特許庁のなかでは「正式決定」と見なされるが、Appleには、Microsoftが申請した特許と重複しないよう特許の適用範囲を定義し直すチャンスがある。

 また、AppleとMicrosoftが1997年に交わした合意が、この特許に何らかの形で影響するかどうかも明らかでない。このとき合意した5年の期間期間は過ぎているが、理論上は特許申請の主張を含めることも可能だ。

 Kaeferはまた、両社とも同じ分野の技術を開発しており、特許庁の判断を回避する方法は分かっている、とも指摘した。
 「両社の技術革新は、ある意味で同じ方向に進んでいる。少なくともわれわれの観点からは、どちらも同じに見える」(Kaefer)
 Kaeferは、AppleとMicrosoftが包括的な相互ライセンス交渉を進めているかどうかについてはコメントできないとした。Microsoftは以前、このようなライセンス契約をIT関連のさまざまな大企業と結ぼうとしていると述べていた。

 これに対し、Appleは「iPod関連の発明では多くの特許を取得しており、またほかにも多くの特許を申請中だ」とする声明を発表した。
 「米国の特許申請プロセスは時間がかかる場合が多く、特許庁とのやりとりが多い。Appleはこの特許申請を継続するとともに、iPod関連の技術革新をカバーするほかの多くの特許申請も進めていく」(Apple)

 Appleはさらに、「iPodのインタフェースは、担当者が言及するMicrosoftの特許が申請される前に発明され、公に公開されていた」と付け加えた。
 これに対し、MicrosoftのKaeferは、たしかにAppleよりもMicrosoftのほうが先に特許申請を行ったが、最終的に問題になるのは、どちらの会社が先に当該特許のカバーする基本的なアイデアを考え出したかという点だと述べている。

iPod特許の闘争下にあるMicrosoftとApple

ニュースではJohn Plattの名前よりもMicrosoftが先に出ているので調べてみると、John C. PlattがMicrosoft研究所の研究員であるとのこと。氏のページにある研究内容から、LCDディスプレイに特化して横方向の高解像度を提供するCrearTypeをはじめとした画像処理や、計算機科学の分野に属する計算機学習などの研究に携わっていることがわかる。
メニュー表示などがJohnPlattの研究する部分と関連しそうな感じではある。ただ、特許商標庁のページで発明人にJohnPlattの名前がある特許の検索を行うも、2002年5月出願のもので成立しているのは特許番号6894701の"Type size dependent anti-aliasing in sub-pixel precision rendering systems"しか見つからないし、これはJohnPlattが筆頭となっている特許ではない。考えられることは、「検索できないくらい最近に認められた特許だから」ということと「JohnPlattの特許自体がまだ成立していないから」の2点程度に絞られると思うのだけど、Microsoftの広報の発表から、JohnPlattが出願した特許は既に認められていると考えた方が自然だ。

ただ、今回の却下によって出ているAppleの広報のコメントを見ていると、この広報はアメリカ合衆国の特許制度を理解していないのではと思ってしまう。ITmediaの記事にあるそのコメントには、「Microsoftが出願する前にiPodのインタフェースを一般に公開している」とある。アメリカ合衆国の特許制度は先願主義になっていないのだから、「向こうが出願する前に公開していた」という言い分は無意味だ。
JohnPlattも何の準備も無しに特許の出願をするはずはなく、Appleが一般公開後に特許出願したのと同じように、JohnPlattも出願前にその発明のための長い準備期間があったはず。今後の問題として判断されるとすれば、AppleとJohnPlattのどちらが先に発明していたかという部分の精査ということになるのだろう。

Appleは今回の決定に対する不服申し立てを行うという。「どちらが先に発明していたか」という部分と「Appleが出願した内容とJohnPlattの出願した内容との関連性」の部分で新たな判断を仰ぐという事になるのだろう。例えJohnPlattが先に発明していたとして出願内容の関連性が全くないのであれば、Appleも納得するかもしれない。また、判断が覆されずにMicrosoftの特許との関連性があったとしてもiPodの出荷が停止されることはないだろう、Appleと違ってMicrosoftは自社保有の特許の利用に関してライセンスしていくという意向を以前から明言しているし。

[出典]http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0508/13/news007.html
http://japan.cnet.com/news/tech/story/0,2000047674,20086401,00.htm
http://blogs.dion.ne.jp/wogota_cif_exa/archives/1670501.html

編集者コメント
どうやら問題部分は、Microsoft社が特許を申請する以前から、我々(Apple)は「iPodインタフェースを発明し、一般に公開していた」という点にありそう。米国特許庁はどう判断するのでしょうか?
また、基本的なアイデアを打ち出し、公開したのはどちらが先なのでしょうか。そういった点も気になります。
ちなみに日本の特許制度は、先願主義となっています。先願主義とは、例えば同じ発明をしたものが二人いた場合、先に特許庁に出願した者(出願日が早いほう)が優先される制度のことです。
米国は最も早く発明した者にのみ特許を付与する先発明主義を採用しています。アメリカでは、誰が先に発明したかについて争いがあるとき、これを決定するのにインターフェアランスという手続きを必要とします。
ちなみに個人主義の強いアメリカでは、先願主義よりも、真の発明者を保護すべきであるとの考え方が根強くあり、アメリカの先発明主義はどうも改正されそうにないというのが現状です。


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投稿者 iPod塾 : 2005年08月13日 14:20


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独り言:iPodに関係ないTBは削除します。あとできれば参考リンクとして
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をブログエントリ内に紹介してもらえると、スパムかどうか分かりやすくなって助かります。

このリストは、次のエントリーを参照しています: iPodの特許はApple社の物?Microsoft社の物?:

» そんなに他社が儲けるのは気に食わないですか? from 徒然開発日記
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トラックバック時刻: 2005年08月15日 13:15

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トラックバック時刻: 2005年08月15日 12:58

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