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2005年08月22日

次世代iPod、「iPod movie」がリリース近し?

概要
映画の予告編として制作された動画を例として、動画関連コンテンツにアップルが力を入れているという話。

 Apple ComputerのCEO、Steve Jobsは将来の計画について口が堅いことで有名だ。
 しかし、iTunes Music Store(iTMS)の最新バージョンを見るだけで、そのヒントが見えてくる。AppleがiTMSの最新版で「ラジオの復活」だとするポッドキャストをサポートしたことは、だれでも気付かないわけにはいかない。

 さらに見ていくと、iTunesソフトウェアはこの5月から、ビデオ、映画の予告編、あるいは自分で撮影した映像まで再生可能になっていることに気付くだろう。またiTMSの方でも、複数のミュージックビデオの販売を開始しており、毎週新作が追加されている。

 レコード業界の情報筋によると、AppleはiTMSでのミュージックビデオの取り扱いについて、大幅な拡大に向けた交渉を進めており、早ければ今秋にもそれが実現する可能性があるという。同社はさらに、早ければ9月にもビデオ再生に対応したiPodが公開されることをメディア業界幹部に示唆している。これを受け、業界消息筋の一部は、AppleがiTMSの映画版となるオンライン映画ストアと、ビデオ再生が可能なiPodの開発を進めている、との考えを示している。

 シリコンバレーの各社で永年幹部を務めてきたMike Homerは、Apple出身で豊富な人脈の持ち主だが、同氏によると、「Appleは、デジタル音楽のダウンロード販売で先駆けとなった。また、Macはオーディオやビデオの処理能力に優れている。このように、彼らには大規模なビデオ戦略を展開するための良い条件がそろっている」という。

 しかしHomerやその他の業界関係者は、iTunesで収めた成功をビデオ分野で再現するのは容易なことではないとした上で、Appleはビデオ分野に一気に参入するのではなく、今年から来年にかけては段階的に参入を進めるとの見方を示している。

 これに関し、最大の課題はビジネス面であって技術面ではない。
 Appleは映画業界各社と契約を結ぶ必要があるが、彼らはインターネット上での著作権保護について心配しており、また映画館での興行収入を追い越したDVDの販売を脅かしたくないと考えている。同社はさらに、Comcastなどのケーブルテレビ大手各社とも映画のダウンロードビジネスで競合しなくてはならない。
 さらに、Appleはビデオ分野でも音楽の時と同様に利益をあげるプランを用意する必要がある。同社は音楽関連ビジネスのほぼすべての利益を、iTunes Music StoreではなくiPodの販売から上げている。

 しかし、多くの業界幹部やアナリストによると、ビジネスを成功させられる人物はJobs以外にいないという。彼らはその理由として、デジタル音楽分野におけるJobsのリーダーシップと、Pixar Animation StudiosのCEOとして彼が築いたハリウッドの人脈や経験を挙げている。
 シリコンバレーのある著名なベンチャーキャピタリストは、「Jobsはこの業界で最も偉大なタレントであり、最も演出を心得た人物だ」と語っている。
 複数の映画業界関係者も、これと同じ意見で、Jobsの力があれば、映画の合法的なインターネット販売によってビジネスが一変する可能性があると見ている。
 「スターウォーズ」の監督であるGeorge Lucasは、先ごろCNBCの番組のなかで、「Steve Jobsと、そのほか数人は、ネットで違法コピーの難しいビジネスモデルを構築する方法にすでに気付いている。だが、業界がそのことに気付くまで、ビジネスは下降の一途を辿るだろう」と述べた。

 Appleの幹部らは、同社の計画に関するコメントを控えている。Jobsは先ごろ、iTunesのような形でビデオを販売していくのかどうかについて聞かれた際に、その質問にはAppleの「今後の行動」が答えを出すと語り、同社の研究室では「複数の素晴らしいもの」が開発されていると付け加えた。

 しかし、ポーカーフェースのAppleも既に手の内をいくつか見せている。
 M1000のそのほかの主なスペックは以下の通り。

Appleは、iTunesでのビデオのサポートに加え、QuickTimeの最新バージョンにH.264コーデックを採用している。これにより、これまでの各種コーデックより少ない帯域幅とストレージ容量で、ユーザーが高品位ビデオを見られるようになった。H.264はApple最新OSのTigerにも搭載されており、またQuickTimeにはMicrosoftのWindowsに対応するバージョンもある。
同社はこれまでに、Mac MiniやAirMac Expressなどの製品を発売している。129ドルのAirMac Expressは、楽曲をステレオにワイヤレスでストリーミングできる。そして、今後登場するバージョンでは映画やテレビ番組にも対応する可能性がある。Appleは来年からIntelチップを採用することに合意していることから、低価格の家庭用メディアプレイヤーがさらに作りやすくなると主張する専門家も多い。
Appleは、エンターテインメントビジネスが最も懸念する問題の解決に、一段と真剣に取り組みつつある。その問題とは、映画や音楽の知的財産権保護だ。この点で、Jobsには映画制作の経験があり、それがさらなる信頼性につながっている。

 Appleは、ソフトウェアの分野に関してこれまでにない進歩を遂げている。5月に新しいiTunesを投入した時点で、ミュージックビデオを提供していたのはGorillaz、Morcheeba、Dave Matthews Band、そしてThievery Corporationの4組のバンドだけだったが、この数はその後増加している。

 これらのミュージックビデオは、多くの場合アルバム購入時に1ドル足すと付いてくるものだ。いずれも11ドル99セントで販売されているBilly Corganの「TheFutureEmbrace」、Coldplayの「X and Y」、そしてMissy Elliotの「The Cookbook」などは、そうした例にあたる。
 Timecode Entertainmentのミュージックビデオエディター、Chris Simsは、「そのほか、CDに付かないものなら何でもいける。この手法を選択肢の1つとして考えているアーチストはかなり多い」と述べている。
 Appleは、何年も前からQuickTimeサイトで映画の予告編を提供していたが、iTMSでのプロモーションも改善してきている。iTunesの映画予告編ページには、新作映画に加えてDVDの映像もある。さらにこのページでは、17社の主要映画会社がアルファベット順で一覧され、映画会社毎に予告編へのリンクが用意されている。

 ムービークリップは無償だが、予告編のページでは映画のサウンドトラックやオーディオブックの販売も行われている。映画、サウンドトラック、書籍のクロスプロモーションは、エンターテインメント業界のマーケティングにとって理想的な形だ。
 Steven Spielbergが監督した「宇宙戦争」の予告編を見てサウンドトラックを9ドル99セントで購入すると、「スタートレック」のキャストによるH.G. Wellsの原作オーディオブックが12ドル95セントで買える、という販売手法は、iTMSだけにしかない存在しない。そして、ビジネス上の課題を克服できると仮定した場合、次は映画そのものを扱うというのが自然な流れだろう。
 Appleのビデオ関連プランのなかでも、ハードウェアの方はさらに厄介だ。多くのアナリストは、Appleがビデオ対応iPodをリリースすると推測している。インタビューをした人々によると、iTunesがミュージックビデオをサポートしたことはこの裏付けになるかもしれないが、それでも映画の完全版配信サービスの土台になる可能性は低いという。

 Jobsはこれまで、ビデオ対応iPodの話を一蹴してきた。同氏は昨年、「ビデオ再生のような機能の実現が最優先課題だという話が多いようだ。しかし、映画を観ながらでは車を運転できないだろう」と語っていた。
 しかし、ソニーのPlayStation Portable(PSP)の人気と画質を見て、Appleも対応を余儀なくされるかもしれない。情報筋によると、Appleは研究室で携帯ビデオプレイヤーのプロトタイプを検討しており、また今後投入するiPodを、長編映画は無理でもミュージックビデオの再生には対応させる可能性があるという。

 業界幹部のなかには、Appleがビデオ分野進出の第1歩として、Macをホームメディアプレイヤーに変身させる可能性があると言う者もいる。
 WebTVの共同創業者で、Apple在籍時にエンジニアとしてQuickTimeの立ち上げに携わったSteve Perlmanは、「ホームメディアプレイヤーという形が最適だろう。ビデオは2時間座って鑑賞するものだ。これは技術で変えられることではない」と語っている。

 Appleが今年はじめにMac Miniをリリースしたことは、彼らの考えを肯定するものだ。Mac miniの外観や機能は、ノートPCやデスクトップというより、むしろマルチメディアPCに近く、テレビの横に置けるほど小さいため、テレビと接続してミュージックビデオや映画を再生することが可能だ。
 TigerがHD(高品位)ビデオをサポートするため、より高速なプロセッサを搭載したMac MiniをHD TVと接続すれば、HDビデオの再生ができる。またハードディスクを大容量化すれば、保存できるビデオの数も増える。
 AirMac Expressが楽曲をストリーム再生するように、ワイヤレスでビデオをストリーム再生する機器の開発も考えられる。
 ビデオ信号を処理する同様の機器を開発することは可能だ。Intelのバイスプレジデント兼CTO(最高技術責任者)、Kevin Corbettによると、LGはすでにデジタルビデオアダプタを製造しており、ほかのメーカー各社も同様の製品をまもなくリリースするという。CorbettはAppleの計画についてはコメントを控えた。

 AppleがIntel製チップを自社のコンピュータに採用することに合意したことで、Macをホームメディアセンターにする道が開けた。Intelは高速プロセッサのほかに、Grantsdaleのようなデジタルホーム専用のコンパニオンチップセットも製造しているからだ。
 Jobsはその発表後、Intelを採用するメリットについて遠回しながら次のように語っていた。

 「数年以内に顧客のために作りたいと考えるものすごい製品のイメージがいくつかある。1~2年後を考えた場合、Intelのプロセッサロードマップがどのベンダーよりもわれわれの方向性に合致している」(Jobs)
[出典]http://japan.cnet.com/special/story/0,2000050158,20086548,00.htm

編集人コメント
ウワサではかなり前から流れていました動画対応のiPod。Podcast対応バージョンから、次世代iPodはiPod shuffle 4GB?という憶測もありますが、いよいよiPod movieが現実味を帯びてきていますね。


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投稿者 iPod塾 : 2005年08月22日 19:05


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独り言:iPodに関係ないTBは削除します。あとできれば参考リンクとして
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をブログエントリ内に紹介してもらえると、スパムかどうか分かりやすくなって助かります。

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